君と見た本物の星(古橋文乃誕生祭)
卒業旅行が終わってから少しして、文乃は成幸から「デートしないか?」
と誘われ、プラネタリウムを見に行くことになった。
せっかくのデートだからと、昨日買ったばかりのピンクのワンピースを
着て、駅前でドキドキしながら彼を待っていた。
(確か10時……だよね)
腕時計を確認すると、あと5分で約束の時間だ。
成幸に褒めて欲しくて買ったばかりのワンピースを着て、薄化粧をして、
文乃は張り切っていた。
落ち着かない様子で辺りを見ていると、見知った顔が走ってきた。
唯我成幸。文乃が付き合っている彼氏だ。
「おはよう古橋。待ったか?」
「ううん、今来たところだよ」
「じゃあ、行こうか?」
「うん」
差し出された手を握り、二人でプラネタリムまで歩き出した。
そして10分後、二人はプラネタリウムで星を見ていた。
「綺麗だったね。来てよかった」
「俺もだよ。古橋と来られて良かった」
お昼が近づいてきたので、近くのレストランに入った。
文乃はオムライスを注文し、成幸はビーフシチューを頼んだ。
デザートもあるというので、ケーキを食後に持ってきてくれるように
頼んだ。
星が見られて、美味しい食事をして、文乃にとっては最高の誕生日に
なったのだった。
(ありがとう、成幸くん。また来年も来ようね!)