スイーツメモリー

今日はルセットの任務も無いごく普通の休日。

水瀬ツムギはルンルン笑顔で街を歩いていた。向かう先は入江先輩から

教えてもらった美味しいと評判のケーキ屋だ。

 

(入江先輩、ちょっと抜けてるけどたまにはいいとこあるじゃん……!)

 

心の中で先輩に感謝しながら、ツムギはお目当てのケーキ屋の前で深呼吸してから、

ドアを開けた。途端にいい香りがしてくる。作り立てのケーキの匂いだ。

 

「いらっしゃいませー、此方でお召し上がりですか?」

「はい。えっと、ショートケーキとモンブラン、それからティラミスをお願いします」

「お飲み物は如何なさいますか?」

「うーん……アイスコーヒーで。シロップも付けて下さい」

「畏まりました。お好きな席でお待ち下さい」

 

そう言われて、ツムギは窓際の植物が飾られた席に座る。

暫くして、注文したケーキとアイスコーヒーが運ばれてきた。

 

「いただきます!」

 

まずはショートケーキ。苺の香りが最高だ。

次はモンブラン。このケーキは先輩曰く「栗の甘みが最高」だそうだ。

確かに栗の香りが香ばしくて素晴らしい。

アイスコーヒーを一口飲んでから、ティラミスに手を伸ばす。

 

(どれもこれも最高です……! 有難う、入江先輩!)

 

これ程美味しいケーキを食べるのは生まれて初めてだ。

ツムギは入江先輩への感謝を込めてルセットのある方角を見ながら

店を出て、鼻歌を歌いながら歩き出した。

 

~完~