シン・みつめ組長物語
神饌組入隊が決まり、ひと段落ついた十八とイザは、みつめから突然祝言を挙げる
ように言われ、一度は驚いたが今は大分落ち着いていた。
十八はみつめと共に街を散歩しながら、イザに似合う髪留めを探していた。
「これなんかどうかな? 花がモチーフになってるんだけど」
「そうだなー……これもいいけど、俺としてはこっちの四つ葉のクローバーもいいと
思うけど……あーあ、イツツが居ればなー……」
イツツは別の町に神食が出たので出張中で、今は東京に居ないのだ。
彼女が居れば女の子が好みそうな物を選んでもらえたと思うので、留守なのが悔やまれる。
「そうだね、戻ってくるのは早くても3日後だから、それまで待つわけにもいかないし……」
「そうだよな……あ、これなんかどうだ? 水色の髪留め!」
十八が選んでいるのは祝言の時にイザに付けてもらう髪飾りなのだ。一生に一度の祝言なのだから、可愛いものを選んでやりたい、ということで急いで選んでいる、ということなのだ。
「良いんじゃないかな? さぁ、会計を済ませようか」
「ああ。じゃあ会計済ませてくるから、組長は待っててくれ」
「分かった。その辺をブラブラしてるから、終わったらラーメンでも食べようか。
そろそろお昼時だしね」
「そうだな。そう言えば腹減ったな……」
近くにみつめと初めて会ったラーメン屋があったので、そこで昼食を食べることに
決め、十八は会計に向かい、みつめは近くの店を物色し始めた。