ラッキー、チョコだよ!(PPPPPP/ラキレイ)
「ふぁああ~……。あ、レイジロウからLINE来てる……えーっと何々…?
『僕今日は日本に帰るから、期待して待っててね☆』か。期待って言っても
一週間前に会ったし、何を期待すればいいんだ……?」
口ではそう言いつつもソワソワしているラッキー。
待ち合わせの時間より早く空港に向かったせいで、飛行機が着くまでかなり暇を
持て余していた。
搭乗口から出てくる人達を眺めていたら、見慣れた顔が視界に入った。
「ラッキー! お待たせ!」
「何で待ってたって分かるんだよ……?」
「え? だって、その積み重ねられたコーヒーの空き缶を見れば察しはつくよ」
「げ……流石だな、レイジロウ……で、LINEに『期待して待ってて』って書いてあったけど、いったい何が……」
「ああ! これだよ、これ!」
そう言ってレイジロウが取り出したのは山盛りのチョコレートだった。
見慣れない包装のものばかりだ。レイジロウはイタリアに居たから、恐らくイタリアで
有名なチョコなのだろう。
「ちょ、チョコ……それにしたって多過ぎないか……?」
「いや、僕もそう思ったんだけど、あれもいいな、ラッキーはオムライスが好きだから
エッグ型のチョコもあげたい、とか考えてたらこんなになっちゃって……。
検閲でちょっと不審な目で見られたけど、平気だよ」
「そ、そうか……でも嬉しいよ、有難う、レイジロウ」
そう言って二人は仲良く手を繋いで歩き出した。